FC2ブログ
私たちを乗せた小さな飛行機は台北で給油した後、ベトナム、タンソンニャット空港に着いた。

その日のホーチミンは雨であった。空港からのバスの窓から外を見ると、カッパを着てオートバイで走る人たちが見える。

その光景はここはベトナムなんだと実感させるに充分だった。

ホテルへ行くバスからの風景 のリサイズ画像


まあこんな感じで今回のベトナム旅行は始まった。

今回はホーチミンを中心にメコン川も見てこようと思っている。



さて、ホテルに着いたのが夜だったので、観光は明日からにして、まずは飯でも食べに行こうということになった。

行き先はネットやガイドブックで評判も良かったクアン94という店。

ここではソフトシェルクラブの天ぷらがいただける。ソフトシェルクラブとは脱皮したてのカニのこと。柔らかいので殻ごと食べられるという。

実は日本でも三重・伊勢では脱皮したすぐの伊勢エビが食べられるそうだが、地元でもめったに口に入らない幻の食材だそうだ。

それを伊勢エビとカニの違いこそあれ、ここベトナムで食べようというのだ。

クアン94クアン94


さて、一口食べてみた。

うん、うまい…が…どこかで食べたことのある味だ。

何だろう…。

……。

……。

わかった!するめの天ぷらだ!

この歯ごたえ、味、まさしく関西でよく食べるするめ(さきいか)の天ぷらだ。

まさか、ベトナムくんだりまで来てするめの天ぷらを食べようとは…。―(T_T)→



しかし、もう一品注文したカニと脳みそのスープがとろっとしてかなり美味しかった。

脳みそといえば日本ではBSEの影響もあり、あまり流通しない部材だが、アジアでは全く普通の食材である。

ちなみにクアン94という店はすぐ横にもあるのだが、支店でも何でもない。

もとの店の繁盛をしって他人が同名の店を出したのだ。

日本では考えられないが、ここはベトナムだ。Ψ(・O・)Ψ



そんなこんなで夜は更けていったのである。










ベトナムとの時差は-2時間。
自然と目が覚めたのにまだ5時過ぎだった。

せっかくなので嫁さんと二人ホテルの近くを散歩した。
まだ、6時過ぎだというのにたくさんのベトナムの人々が街に出ていた。
公園でバドミントンをする人、開店準備に忙しい人、路上販売をする人、それを買いに来る人…。

ホーチミンの朝ホーチミンの朝


しばらく歩いていると一軒の食堂が開いているのが見えた。
早速入ってみると中にはすでに数人のベトナム人が何か朝食を食べていた。
よく見るとフォーのようだ。私たちもこちらに来て初めてのフォーをいただくことにした。

フォー鶏粥


美味い。あっさりして、朝の胃にもすごく優しい味だ。
しかし、あっさり味には理由があって、テーブルに置いてある調味料で自分の好きなように味を変えられるのだ。
私は唐辛子を嫁さんはライムを入れた。
いっしょに頼んだ鶏粥もまた美味しかった。



ホテルに戻って、フルーツとコーヒーの朝食を取り、しばらくすると今日のガイドさんがやってきた。
フリーのツアーだったが初日に半日市内観光が付いているのだ。
ガイドさんは猿岩石の丸い方にそっくりだった。しばらく見ないうちにこんなところで仕事をしていたのかと正直思った。

シクロ体験をし、サイゴン大教会、統一会堂、中央郵便局などを見学した。
途中にはベトナムコーヒーを飲む時間やお約束のおみやげ屋さんにも寄った。
そうそう、嫁さんのアオザイと娘のサマードレスも作った。

シクロ体験サイゴン大教会


こうやって歩いているとホーチミンの観光地はたいてい歩いて回れる距離にありコンパクトにまとまっているという感じがした。

移動もシクロ体験(10分ほど乗っただけ)以外すべて徒歩であった。



そろそろお昼ということで、私はかねてから行きたかった山羊鍋の店に連れて行ってもらうようガイドさんに頼んだ。

山羊鍋は日本のガイドブックにはあまり載っていないが、ベトナムではよく食べられているメニューである。

山羊鍋には決まったコースがあり、まずは山羊のおっぱいの焼肉から始まる。
ホーチミングルメ図鑑参照

山羊のおっぱいの焼肉山羊のおっぱいの焼肉

山羊には申し訳ないが柔らかくて美味しかった。



その後、山羊鍋へと続くのであるが、出てきた肉を見てビックリ。

山羊鍋山羊鍋

山羊の脳みそ、脊髄など、もし狂山羊病という病気があれば真っ先に危険部位として処分されるような場所だ。

しかし、スープから来る美味そうなしょうゆの香り、とろとろに煮えた白子のような肉を見ているとそんなこと関係なく食欲が勝る。

私たちはすっかりお腹いっぱいになって店を出た。
ガイドともここでお別れである。




その後、Kemと呼ばれるデザートを食べにカフェで涼んだりして、いったんホテルへ戻った。


夜になって活動開始。
…といっても晩ご飯を食べに出ただけのことだが。

お目当ては椰子虫をメニューとして出しているTan Lac Vienという店。

子どもの頃ファーブル昆虫記を読んでいて甲虫の幼虫がバターのような味だと知ってから、ずっと食べてみたいと思っていた。

気持ち悪いという人もいるかと思うが、世界で虫を食べる地域はけっこう多く、この椰子虫もベトナムでは高級品なのである。

椰子虫

味はニンニクを良くきかせて炒めてあるのでそのものの味はわかりづらいが、皮はビニールっぽく中味はどろっとした食感。(ホーチミングルメ図鑑参照
そこそこの味ではあるが、やはりカニのブラックビーンズ炒めのような料理の方が口に合うことは確かである。

カニのブラックビーンズ炒め


ところでこの店、明日ミトー、メコンデルタツアーでお世話になる予定のフックトラベルの方に,、椰子虫が食べたいという私のリクエストで教えてもらったのだが、どうも日本人観光客が来るのは珍しいらしく、興味津々の対応をされた。

特に関心があったのが、日本から持って行った「食べる指さし会話帳」である。「この本はいくらか」と聞くので1500円(21万ドン)と答えたが、21000ドンの間違いではないかという。

「違う」と答えると店員みんなで必死で読み始めた。食べている間中、それがずっと続いたので、帰り際、プレゼントしたら、跳び上がって喜んでいた。

しかし、料金にサービスは全くなかった。







この日は予約してあったフックトラベルのフックさんにミトーへ連れて行ってもらう日である。
したがってこの日はホテルで朝食をとる。

ホーチミン


フックさんは時間通りにやってきた。車は8人乗りのRV。メコンデルタの町ミトーまでは約2時間のドライブである。
それにしてもホーチミンから30分も走ると景色は田舎になり、町の喧噪が嘘のようにのんびりとしたムードになってくる。
まだ、朝だというのに家の前で寝ている人たち、のんびりとひなたぼっこをしたり、カードゲームをしているのはたいてい男性である。
このあたりの風景はいくら働いても給料は同じといった社会主義の名残であろうか。

私たちはバインミーというニョクマムで味を付けた具をはさんだフランスパン(このあたりフランスの植民地であったことが感じられる)を食べながら、ミトーへの道を楽しんだ。

ホーチミンホーチミン


ミトーに着いて車を降りたら次は船に乗り込む。メコン川の中州、シシロ島に行くのだが、観光コースとして決まっているのだろう。
船の先端には丸い目のような模様が描かれてある。これはワニ除けだそうだ。

ホーチミン


空はどこまでも青く、まさしくここが南国であることを私たちに実感させた。
島までは10分そこらで着くのだが、メコン川に吹く風が心地よく、ひとときの清涼感に包まれたクルーズであった。

ホーチミンホーチミン


シシロ島では手こぎボートでジャングルツアーをし、キャラメル工場を見学し、ライスペーパー工場を見学し、大蛇を首に巻いたり、はちみつ茶を飲ませてもらったりした。

ホーチミンホーチミン


実はこのあと事件が起きた。



小さな動物園があって、檻にテナガザルがいた。えさをあげられることができるようになっていたので息子は果物をあげていた。
テナガザル、果物をもらっていたうちは機嫌が良かったのだが、息子が後ろを向いた瞬間、ぬっと手を出して、息子の腕をつかんだのである。
近くにいたベトナムの方が傘でテナガザル(の手を)をたたいてくれたが、息子は転んで大泣き。
怪我はなかったので笑い話ですんだのだが、動物は動物、手が長いからテナガザル、十分注意するにこしたことはない。

ホーチミン ←テナガザル




さて、メコンクルーズの楽しみの一つにミトー名物料理というのがある。
何かというとこれ↓

象耳魚


象 耳 魚

エレファント!イヤ~ フィッシュ!

形が象の耳に似ているから名付けられたというが、よくわからない。
それが料理されて出てくるとこうなる。

ミトー象耳魚


ビシッと立っている。

うろこつきで揚げ、ほぐした身をライスペーパーにくるんでニョクマク(魚醤)をつけて食べる。
味は淡泊な白身で川魚特有の臭みも少ない。養殖だからだろうが…。

また、こんな料理も。

ミトー


グレートライスボール。
熱した油の中に餅のかたまりを入れ、ぐるぐるかき混ぜると、みるみるうちに中が空洞のボールができあがる。
作るところを見ているとものすごく簡単そうに見えるのだが、知り合いの中華料理のコックさんに聞くとこれがなかなかできないのだそうだ。


さて、お腹も大きくなりぼちぼちホーチミンへの帰路につくとしよう。

例によって一度ホテルへ帰って、少し休憩してから、夕方になってから出かけた。
行き先はどんこい通り。いやドンコイ通り。ひらがなだとかなり田舎臭い感じになるが、ここはホーチミンでも一番の繁華街。そして、ブランド街でもある。
ありがたいことにうちの嫁さんはブランドには興味がないので雑貨やTシャツなどを見て回った。

しばらく散策したあと今日の夕食。
訪れたのは伝統的なベトナム料理がいただけるとガイドブックなどにもよく登場するドンズーというお店。

食べる直前にウオッカでフランベするボーヌオンズアはこの店の名物。ココナッツの器に入って出てくる。

ホーチミン


しばらくすると琴のような楽器を持った女性が出てきて演奏が始まった。
はじめの2~3曲はベトナムの伝統音楽のようなものだったが、客に日本人がいることを意識してか、「上を向いて歩こう」や「さくらさくら」なども演奏してくれた。

これに大喜びの子どもたち。演奏の前で踊り出す始末。
それでもにこやかに対応してくれた店員の皆さまには感謝である。

その後、店を出てホーチミン名物、意味もなくロータリーをぐるぐる回るバイクを見学して、ホテルに戻った。






例によって早く起きたので朝の散歩に行った。
この日は前の日、早く寝て早起きだった息子も連れて、ベンタイン市場まで歩いていって朝食を取った。

その途中に見つけたもの↓

ドラえもん

ドラえもん?
左はしずかちゃんで、右はスネオ? …のびたは?



市場の食堂でフエ名物のブン・ボー・フエやミエン・ガーなどのおいしい麺類をいただいて帰宿。

ホーチミンホーチミン


そして本日の活動開始。
この日はベトナム最大の中華街、チョロンへ。

ここでオリジナルのはんこを作ってもらったり、ビンタイ市場でお土産を買ったりした。

ホーチミンホーチミン


それにしても人の多いこと、ベトナムの湿気も相まって熱気がすごい。
あまりの蒸し暑さにいったん外に出ようということになった。

このビンタイ市場、真四角の建物の真ん中に中庭がある構造なのだが、店も密集しているので自分が今どこにいるのかわからなくなる。

適当に外に出たら、入ったところと違う出入り口だった。

もう一度建物に入って、来た道を探せばいいのだが、それもおっくうになって、うろうろしていたら、市場の建物も見失って完全に道に迷ってしまった。

しかも、雨まで降り出した。

大都市ホーチミンといえども少し裏通りに入ると舗装もしていない道が多く、雨が降ると歩くのもつらい状態になる。

結局雨宿りがてら入った小さなカフェでタクシーを呼んでもらって事なきを得たのだが、さすがにこのときは疲れた。



ホテルで少し休憩して夕方から活動開始。またしてもベンタイン市場へ。
お目当てはこれ↓

ホビロン


ホビロンというアヒルの卵である。
しかし、単なる卵ではない。

孵化寸前の卵なのである。

噂に聞いてはいたので旅行中に一度は食べてみたいと思っていたのだが、なかなか見つけられずにいた。
市場の中をホビロン、ホビロ~ンと言いながら歩いていると、それを聞きつけたお茶屋のおばちゃんが、こっちこっちと手招きをして屋台まで連れて行ってくれた。

う~ん、何と親切な★\(^-^ )♪

ベトナムのおばちゃんは大阪のおばちゃんに通じるところがある。

このホビロン、なかなか見つけられなかったのには理由があって、現地の人からすればおやつのようなものらしく、夕方からしか売っていないのだそう。

道理で周りを見ると学校帰りの女子高生がおいしそうにホビロンを食べている。

…で、味はというと鶏肉に半熟の卵がまとわりついたような感じ。

そう、まさしく親子丼!

下調べによると孵化直前のものは羽がついていたり、顔ができていたりで、かなりグロテスクなものもあるとあったが、おばちゃんは私たちが観光客だと思って、卵に近いものを選んでくれたようだ。

ということで、初めてのホビロン体験はかなりいい印象で終わった。

ホビロンホビロン


ところで、親切なおばちゃん、私たちが食べ終わるまで、ずっとそばで注文してくれたり、食べ方を指南してくれたりしていたのだが、なかなか店に戻らない。

私たちが礼を言って帰ろうとするとちょっと店に寄っていけという。
そう、下心があったのである。

まあ、お茶なら土産にもなるし、ドッグフード屋でなくてよかったと思い、少し買って帰ることにした。
もちろんきちんと値切って買ったので損をしたということはない。

ホーチミン


ホビロン屋台では貝の焼いたものなどいろいろ食べたので、夜になってもお腹がすかなかった。
少し、麺を食べた後、ホテルへ帰る。






この日は最終日。

朝からサイゴン動物園に行って、象にサトウキビをあげたり、ヘビや大トカゲをみたりして、ゆっくりと、そしてのんびりした時間を過ごした。

サイゴン動物園サイゴン動物園

というのは、この近くの歴史博物館で10時から行われる水上人形劇を見るために時間をつぶすという意味もあったからである。

この水上人形劇、約1000年前から続いているという、ベトナムの伝統芸能である。水の上を人形が出たり入ったりしながら、劇が進むのだが、操っている人が濡れもしないでどうやって人形を動かしているのか不思議である。

話はベトナム語で進行するが、人形の顔と言い動きといいコミカルで、子どもたちも大喜び、なかなか楽しかった。

水上人形劇

人形劇を見終わったらちょうどお昼の時間だった、前もって店を考えていなかったので、道ばたのコムビンザン(屋台の定食屋)で腹ごしらえをすることにした。

まず、ご飯をよそってもらって、たくさん並んでいるおかずから好きなものを選んで上からかけてもらう。
ベトナム語が話せなくても(むこうが英語ができなくても)指さすだけでOK。スープが欲しければそれも注文。

だいたい旅行も最終日ぐらいになると地元の人が食べているものを食べたいと思うようになってくるものだ。
そして、これがたいがい安くてうまかったりするのだ。

コムビンザンコムビンザン

この後、ホーチミンの安宿街が集まるファングラーオ通りに行ってお土産をいくつか買ったが、このあたりは家族で楽しむのにはあまり適さないかもしれない。(この日がものすごく暑かったということもあるが…)

ファングラーオ通り

そうこうしているうちに帰りの時間が近づいてきた。
いったんホテルに戻って、帰り支度とチェックアウトをすませる。

そして、毎日、氷やらビールやらを買っていたホテルの隣の店のおばちゃんに帰るとのあいさつ。
「ベトナムは楽しかったかい?」との言葉の後に意外な一言。

「台湾に帰るんだね。」

って、台湾人とずっと思われていたとは…。

ホーチミン

空港送迎のバスが来るまでの時間、最後の食事のためにベンタイン市場横の海鮮屋台へ。

ここで、カニがすっごくうまそうだったので何も考えず注文したのだが、これが時価だった。
嫁さんは「ドンもあまり残ってないのに、足りひんかったらどうするの!」と怒っていたが、これがまた、うまいのなんの。ベトナムでもいろいろ食べたが、最高の味だった。

さらにビールも頼んで嫁さんはかなり冷や冷やしたようだが、なんとか予算内に収まって最後の晩餐は終わった。

カニのタマリンド炒め野菜の揚げそば

とにかく、ベトナムは楽しかった。
食べ物は美味しいし、人もいい。

また来たいを通り越して住みたいと思うほどだ。

年金生活になったら海外暮らし。
そうなったら、一番の候補はここと言えそうだ。

ごちそうさま、ありがとう、ベトナム。